このページの概要
マネージャー向けの1on1ガイドラインになります。
マネージャーに特に意識してほしいこと、留意点などを記載しています。
一読いただき、内容理解の上で1on1の開催をお願いします。
※ 1on1はhowも大事ですが、”行えば良い”わけではありません。
定期的に行うからこそ形骸化しやすい制度になりますので、目的を見失わないように注意しましょう。
目次
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成功させるCheckリスト
- [ ] 事前のAgenda準備(メンバー側で1on1のフォーマットに記載してもらう)
- [ ] 無断遅刻、無断キャンセルをしない(リスケする場合はその際に日程確定させる)
- [ ] 話しやすい空気をつくる
- [ ] 目標や進捗はメンバーから共有
- [ ] “行動”の約束をして終える
失敗するCheckリスト
- [ ] 議題が決まっておらず、なぁなぁな時間になってしまう
- [ ] メンバーが意見、発言ができていない(メンバーの時間になっていない)
- [ ] 場づくり自体をメンバーに委ねる(Agendaはメンバーだが、場づくりは双方の努力)
- [ ] ティーチング/howだけ行う(気づきを与えられていない)
- [ ] 雑談のみで終わる(雑談は大切だが雑談のみで終わってしまうと、基本的に成長には繋がらない)
1on1で意識すべき要素
カウンセリング(メンバーの悩みを聞く、耳を傾ける)
基本的にはメンバーのための時間です。 陥りがちなこととして、マネージャーが管理目線で時間を使ってしまい一方的な時間になってしまうこと。
メンバーに関心を持ち、理解、観察することを意識しましょう。
コーチング(内省の促し、気付きを与える、解決へ導く)
具体的な指示をするのではなく、「どうしたらいいと思う?」「たとえばxxxだとしたらどうする?」など問いを与えることで思考や内省を促すようにすると、結果的にメンバーの成長につながるため定期的にコーチングは行うようにしましょう。
マネジメント(期待値のすり合わせ)
管理ではなく期待を伝え、すり合わせることを意識しましょう。
企業やManagerからの期待を伝え、メンバー側からもリクエストを出してもらうなど、双方の期待値のすり合わせをしましょう。
補足_1on1のあり方
1on1の主体はあくまでマネージャーではなくメンバーです。 すなわち、「メンバーからマネージャーに色々と話す場」が本来の1on1のスタンスです。
忙しい時期にリスケすることもあるとは思いますが、どんなに忙しくても最低月1以上は実施してください。
最初は「忙しいのにまた余計な仕事が増える・・・」とお互いにメンタルブロックがかかりがちですが、30分や1時間の1on1の時間が後々とてつもない効果を発揮します。
<1on1が果たすべき役割>
短期: 本人が仕事で成果を出し、評価が上がることをサポートする
長期: 本人の将来キャリアまで見据えた総合的な成長を支援する
理想は「目標達成する上で困ったこと(短期的な話題)があれば、即時解消してるので大丈夫です」といった状態が作られており、1on1では長期的で深い話題が中心になることです。
※ 良質な関係性構築が行われると、1on1ではなく日々の関わり(テキストコミュニケーションやタイムリーなMTG)で短期的な課題は解決していきます。
<上記に関する留意点>
- 「評価が上がることをサポート」というのは、根回しをするという意味ではなく、本人が社内で望む待遇やポジションに到達できることを支援する立場に回るということです。
- 「次、評価上げるから」「このポジションに抜擢するから」といったコミュニケーションは絶対NGです。サポートはできるかもしれませんが、人事権を持っているわけではないですし、期待値を上げすぎると叶わなかった際に信用を失います。企業やご自身、メンバー全員が不幸になります。
- 「この調子だと今期はプラス評価できる材料が少ないのだけど、これからどう挽回していこうか」といった話をしていくことは重要です。※このような話ができる関係性をつくっておくことが大切。
- 「失敗の責任の追求」についての話題は、その状況が発生した時にその場でするべきです。1on1で話すのは出来る限り避けましょう。
実践_Step
実践するにあたり、以下のStepが重要です。
1. 信頼関係を構築しよう
十分な関係性が構築できていない状態で、アドバイスやプライベートなどの話題まで踏み込んでしまうと相手は拒否反応を示す可能性が高いです。
「人生の不安はありますか」といった項目もありますが、メンバーが記載していない場合には、あえて深掘りする必要はありません。記載してくれた時に話を聞くスタンスでOKです。
一度抵抗感が生まれてしまうと、その後関係性を再構築するハードルはより高くなりますので、注意してください。(特に男性上司→女性部下の場合はセクハラに注意)心理的ハードルが低い話題から進めていきましょう。
<ハードルの高さ>
仕事外の私的な話 > 周辺(職場や同僚)の話 > 仕事や目標の話 > 雑談
<距離の縮め方のイメージ>
- 自分の存在を快く受け入れてくれている(業務というよりも人間性)
- 自分のことをちゃんと理解しようとしてるし、見ててくれる
- 自分の仕事の進捗や目標達成をちゃんとサポートしてくれる
- 仕事外の相談にも乗ってくれるし、有意義なヒントやアドバイスをくれる
- 他の人には話しづらい私的な悩みについても、この人には相談できる
基本的には上記の順です。
5の関係性になるのは時間を要する場合があるため、まずは4までの関係性をつくり、
「この人には色々話そうと思える」といった状態を目指しましょう。
意外と重要視されにくいのは1のステップで、これを実現するのは「雑談」です。
普段から仕事が関係ない話が気兼ねなくできる関係にある人とそうでない人では、
1on1での話題の距離感も違ってくるというのはみなさん経験あると思います。
雑談だけの時間になってしまうのも問題ですが、雑談は非常に大事です。
2. メンバーの悩み、課題の解決、支援をしよう
信頼関係が構築できたら、具体的に課題の解決や支援を積極的に行いましょう。
<距離の縮め方のイメージ>の3、4に注力していくイメージです。
<話す内容>
- 業務上や組織における課題の改善
- メンバーの目標設定、評価
- メンバーの能力開発、キャリア支援
- 会社の戦略や方針の伝達
常に上記の内容を扱う必要はありません。
その時の状況や、メンバーからのインプットに応じて取り扱いましょう。
実践_コミュニケーション(Appendix)
1on1のコミュニケーションの原則は、下記の3点があります。
原則 | 詳細 | |
1 | 傾聴 | 相手の心に耳を傾ける |
2 | 質問 | 相手の考えを引き出す |
3 | 承認 | 相手のやる気を引き出す |